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※管理人は只今豚療養に付き病院にいます。本人はそこそこ元気ですv

携帯は使えるので日記はそこから。
「ここは一般病棟からは隔離されていてね。手術用の機械は置いてないんだ。だから携帯電話は使えるんだよ」
な摩天楼病院シーンな感じです。

えーっと……。
やっぱりPCないと面白おかしく日記書けないので、書き途中の携帯小説でも日記代わりに載せておきます。
今年初めに話したストーリー年賀状の小説版。暇なんで寝ながら小説書いてたまったら上げていきます。

主な登場人物はコナン、快斗、探、キッドで、基本快斗主体で進むはず。暫定設定は今年1月前半日記をご覧下さい。
設定は探怪同様です。コナンと快斗は知り合いなのでご注意下さい。
……しかし登場人物、野郎だけって…ものっそいむさいよね(笑)

======================

(でけぇのは図体だけですか……)
やれやれとため息をもらす。万一足がついたらマズいからと館内の検索システムは用いず、粗方の目星をつけて書架を見て回っていた。――が、目当ての本はなかなか見つからない。
(蔵書数が売りの割には品揃えはいまいちだな)
都内最大と謳われる都立図書館。今度の盗みの参考にと資料探しに立ち寄ったは良いものの、無駄にだだっ広いだけで目的の本を探すには骨が折れる。
もちろん、システムの整った蔵書検索機はあるが、下手に使えば、自分の身元がバレかねない。司書に訊いても同じことだ。
総目録を頼りに、目星をつけた書架へ資料を探しに行ったところで、目的の資料が見つかる方が奇跡なのだ。
(……やっぱ使うしかねーか)
闇雲に探したところで何も見つからまい。仕方がないと諦めて検索機を使おうと決め、ひとまずトイレへ足を運ぶことにした。
(見た目覚えられてると厄介だしな。ただ問題は――)
容姿云々は変装で何とかなるが、さすがに指紋はごまかしが利かない。手袋をしてパネルを押せば逆に目立つだろう。――さて、予防線をどこまで張るべきか……
(……ん?)
ふと目の前を何かが横切った。どことなく既視感を感じて目線で後を追う。
(んー?)
慣れた足取りで館内を歩く様子からしてここの常連なのだろう。
(……本の虫か。あんな子供の内から読書家なんじゃ、果てはインテリか小難しい学者にしか――)
既に2冊の書籍を手に取っているにも関わらず、尚館内を歩き回る小学生の将来に一抹の不安を覚えかけて思考が止まる。
(――っ名探偵!?)
最初に感じた既視感の正体に、快は反射的に書架の棚に身を隠す。
(…………って、別に隠れる必要ねーじゃん)
ガタンッと小さく音を立てた棚に我に返ると、棚の影から顔を出す。
(……ミステリー好きなのは知ってっけど、今更図書館で読む程か?)
コナンならばミステリーと付くものは既に読破していそうなものだ。わざわざ図書館に来てまで読む必要はないだろう。
(何か特別な用事でもある……ん?)
コナンの行動を遠目に眺めていた快はふと目を止めた。先ほどから同じ書架を往復していたコナンが、踏み台を抱えて戻ってきたのだ。どうやら書架の――しかも最上段に陳列してある書籍を見たいらしい。
(いや、あれはさすがに無理だろ)
普通の大人ですら届くか届かないか微妙なラインだ。たとえ踏み台を使ったにしても、小学生の背が届くような高さではない。そのために子供用の図書は児童書架という形で設けられているのだ。本来小学生が向かうのはそこだろう。少なくとも、連れもいない小学一年生が一般書架に立ち寄ることはまず考えられていまい。
(……しゃーねぇなぁ)
周りに大人がいるにもかかわらず誰にも頼らないのは、さすがに不審さがあると自覚症状はあるのだろう。――だが、そもそも子供が一般書架にいる時点で不審極まりない。おまけにそこで最上段にある図書を取ろうものなら目立って普通だ。
遠目に眺めてるのも無慈悲に感じ、快斗はコナンのいる書架まで歩く。棚の前で片足をヒョイと上げると、コナンが取ろうとしている図書を横から引き抜いた。
「あ……」
 その瞬間コが小さく声を上げる。その行動に反応するより先に、快斗は手にした表紙に顔をしかめた。
「――ホレ」
ようやくコナンを振り向いて、手にしたばかりの本を渡す。
「――え?お前…………」
初めてその存在に気付いたようにコナンは意外そうな声を上げた。その様子に快は静かに自分の口元で人差し指を立てる。
「一つアドバイスな。人目気にして周り頼らないより、届きもしない場所にある洋書は読まない方が賢い選択だぜ?」

「――で?お前みたいな奴が図書館に何の用なんだよ?」
「みたいな、ってな……。一応資料集め」
「一応?」
「だってここ品揃え悪ィじゃん。目的の資料なんて全然――」
「そりゃオメーの探し方の問題だな。ちゃんと調べたのかよ?」
人通りが少ない方が良いだろうと、2人は5人程が入れる休憩室に場所を移して話をしていた。
「都内最大を謳う図書館だぜ?むしろ掘り出し物すらあるってのに」
「……何処に?」
怪訝に顔をしかめる快斗に、コナンはテーブルに置いた書籍の表紙を小突いた。
「原書の初版本だぜ?」
「……だからいくらなんでも、公の場で、見た目小学生が洋書読むのはやめた方が良いって」
「仕方ねーだろ?持出厳禁図書扱いなんだからな。――大体、版指定検索さえ出来るんだぞ?お前どんなキーワードで検索かけたんだよ?」
「……勘」
「は?」
予想外の言葉にコナンは難しそうに顔をしかめた。
「……手当たり次第ってことか?」
「目視的な意味でな」
「もく――っ!っておい、ちょっと待て!目視で見当たらねーから品揃え悪いって……!テメーどれだけ身勝手な理屈だよ!?」
「……やっぱそう?」
「当たり前じゃねーか!」
苦笑いして呟きがちに言う快斗にコナンは即答して返すと、ため息をついた。
「……ったく。――それで?調べたかったのは『ビッグジュエル』の何なんだよ?」
「大分類は歴史かな?ただどっちかっつーと裏話に近けーけど。それにまつわる製作秘話とか、最近の事象に関連してたりとか」
「それで歴史分類を見て回ったのか?」
「ま、そんなとこ♪」
「…………。ちょっと待ってろ」
ため息混じりに椅子から立ち上がるとコナンは休憩所を後にした。それを黙って見送ると、快斗はテーブルの上に肩肘をついて、自分の手の平に顎を乗せた。
「……突き詰めて言うと、調べたいのは『ビッグジュエル巡る謎と攻防』ってとこだけどな」

待たされること20分しばし。快斗が、行き違うこと必至で館内を捜しに出ようとした頃、コナンが休憩室へと入って来た。
「……あれ?手ぶら?」
「何がだよ」
身一つのコナンに快斗は不思議そうな声を上げる。言われた言葉にコナンは逆に不機嫌そうに快斗を睨んだ。
「ホラ。ここの館内詳しそうだったし、探しに行ってくれたのかなー?と思って」
「まあ半分正解だな」
「半分?」
首を傾げる快斗に答える代わり、コナンは紙切れ一枚を手渡した。
「めぼしい書籍のリスト。書架の場所は自力で探しな。館内地図と分類記号照らし合わせりゃ何とかなるだろ」
「……例の検索機?」
「ああ。誰かさんと違って、関連書籍調べたことで足がついても、俺は困らねーからな」
わざとらしく言うコナンに眉を寄せる快斗だが、すぐに意外そうに目を瞬いた。
「気付いてた……?」
「まあな。――こんなだだっ広い図書館で、検索機に頼らない無謀な理由っつったら、オメーの場合それ位だろ」
「すっげ、さすが名探偵!」
「……テメーに誉められても嬉しかねーよ」

さんきゅー♪
と一言残してから、快斗は休憩室から出て渡された紙に目を落とした。
(……確かに足ついても大丈夫だろうけど、これはこれでヤバくね?)
紙に書かれていたのは英字のみ。一番下に『和訳は手伝わねーぞ』と添えられてる以外は全て英語である。しかもよく見れば、フランス語かイタリア語らしいものすらある。
(……いや、さすがにこの辺は選定者の和訳責任くれー発生しても良いぐらいじゃねぇ?)
どうやって見つけて来たのかすら分からない程に深すぎるリストに苦笑いしながらも、快斗は分類記号を頼りに書架を巡った。リストに挙げられているのは6件と、比較的少なめだ。全てを簡単に見て回っても1時間とかからないだろう。
パラパラと6冊のリストを見て回ってから、唯一英語でない書籍を手に取った。
(この和訳だけは責任取れよな、名探偵)
理解不可能と言うわけでもないが、洋書に比べれば多少なりと読解に時間がかかる。選定者を時間短縮に利用するくらいの権限はあるだろう。先に帰られては困ると、快斗は来た道を戻り始める。
(……ただまあ、わざわざ確認和訳しなくても、希望通りの本らしいってのは予想つくけど)
手にした書籍に再び目を落とすと快はため息をついた。
(この甘さがキッドの時にありゃ有り難いんですけど!)
リストに上がった6件の書籍。結果が少ない割に、戻ってくるのが遅かった時点で気付くべきだったのだ。
コナンから渡された紙に記載されていたのは、どれもこれもビッグジュエルにまつわる謂われに関するものであった。検索機のみであそこまで一致するのは有り得ない。
(ご丁寧に確認までしたくせに何で持って来なかったんだか……)
――自分の宿敵相手に情けをかけられてると思われるのは癪だから。
頑固で負けず嫌いな反面、妙に堅気なコの性格を思えばそんなところだろう。
(だったらしなきゃいいのに)
そしてまた、その行為に対して礼を言おうものなら『気味が悪い』と返すだろう。
その矛盾した行動が、いやに可笑しく感じて快は小さく笑う。
(あーあー、全く。探偵ってのは難しい生き物だねぇ)
タイプは違うが、自分を捕まえようとしている探偵は二人いる。気難しくて対応に困る堅気な探偵と、あろうことか情報提供までやってのける緊張感のない探偵。どちら共完全に決裂しているわけではないから奇妙な話だ。
(……あれ?)
休憩室に戻ろうと、個人閲覧室の前を通った時だ。見慣れた人物を見つけて足を止めた。
(何?この厄日……)
難しい顔で模造紙に向かっている知人を見てため息をつくも、手は個人閲覧室のドアを開けていた。

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