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何だか、数日前の日記で
「この日記におけるネタ貧困時の対処策ベスト3」
なものを設けた傍からこれかよ、とも思うのですが。
まあ、過去小説編集してると、たまには新規小説も書きたいというか。

というわけで、不定期日記内小説実行。
親子話で実行済みは黒羽と工藤。最後の5個目はお題的に
大阪組だと思うので、毛利家か中森家のどっちかにしようと悩みぬき、
結局は毛利家話。黒羽家2連続しなきゃ一家一話満遍なく出来たのに…orz

どちらかと言うと、メインは蘭と小五郎の二人。(※離婚前話)

お題配布元:ラフライフ
『親子お題:シャンプー切れてるよっ
 
 

 
「シャンプー切れてるよっ!」

 そんな言葉が風呂場から聞こえてくる。
――家庭内のことは妻が何とかするだろうと、
小五郎はテレビを見たまま動かなかった。

「お父さんーっ!シャンプー!」

 しばらくして再度同じ言葉を言われて肩をすくめる。

「おい、英理――!」

「――お母さん、お仕事で今日遅いって言ってたよ!」

 室内に聞こえるようにと、大声で妻を呼んで、娘の声で我に返る。
そう言えばそうだったと思い出して、小五郎はようやく腰を上げた。
まずテレビを切ると、足早に風呂場へと急ぐ。
脱衣所のドアを開けると、風呂場のドアからひょっこり娘が顔を出している。

「おい、蘭!そのままでいたら風邪引くだろ!
 今出してやるから、湯船に浸かっとけ!」

「だって……。のぼせちゃうから、お母さんが『長い間浸かっちゃダメだ』って」

「ああっ!それとこれとは話が別だ!とりあえず入っときなさい」

「はーい」

 何故、父親と母親の言うことが真逆なのか、そんな疑問を抱きつつ、
蘭は大人しく小五郎に従うと、湯船に浸かった。


 ――それから約10分。
蘭は湯船の中で、ちゃぷちゃぷと音を立てながら、おもちゃで遊んでいた。
それも随分長い間やっていると思い立ち、湯船から手を伸ばして、
ようやくの思いで風呂場のドアを開ける。

「お父さん?」

 いつまで経っても、シャンプーが届く気配がないため、
蘭は不思議そうに脱衣所の小五郎に声をかけた。
しかし、その呼びかけに小五郎は気付かなかったらしく、
脱衣所の戸棚から物を出してはラベルを眺めて脇に置いている。
――どうやら、なかなか目当ての物が見つからないらしい。

「ねぇ、お父さん!」

 何度目かの呼びかけで、ようやく気付いて、小五郎は蘭の方を振り返った。

「……なあ、蘭。シャンプーの類ってここじゃなかったか?」

 怪訝そうに訊かれ、蘭も難しそうに首を傾げる。

「ううん。分かんない。いっつもお母さんが出してくれてたから。……ないの?」

「買い置きは確かにあったはずなんだが……置き場所がちょっとなぁ……」

 そこの管理は、いつも英理任せなため、小五郎はあまり把握していない、
というのが事実である。風呂場で使う物なのであれば、近くに置いてあるだろう、
とまでは予測がつくのだが、探せど探せど見つからない。
リビングにでも置いてあるのだろうかと、戻りかけて背後からなじられた。

「――何やってるのよ!こんなに散らかして!」

「……ああ、いや。俺はただシャンプーを――」

「シャンプー?」

不思議そうにそう言うと、英理は風呂場まで歩いて行って、
風呂場の収納スペースを指差した。

「買い置きならあそこよ。いつもそうじゃない。いい加減覚えたら?」

「なっ!――バカか、お前!風呂場で使う物は脱衣所に置くのが常識なんだよ!
 買い置きのシャンプーを風呂場に置く奴なんかお前位だろーが!」

「あら。あなたの記憶の方が問題あるんじゃなくて?」

 澄まして言われ、憤然とする小五郎だが、文句を言う前に蘭が口を挟んだ。

「……でもね、お母さん。お父さん、見つかるまで必死で探してくれたんだよ?
 それに、お風呂から出てお父さん呼んでたら『風邪引くから中に入っときなさい』
 ってちゃんと気遣ってくれたし。だから、お父さんが悪いんじゃ――」

 英理は蘭の言葉を最後まで聞かずに、ポンポンと優しく蘭の頭を叩いた。

「そう。優しいわね、蘭は」

 にっこりと柔らかく笑うと、英理は小五郎の方を振り返った。

「とりあえず、それは自分でしまってちょうだいね」


***************************************************************

そんな話。中森家話にしようと思いつつ、母親の存在が分からないので
さすがに登場人物2人で回すにはキツイストーリーだろうと毛利家話に。
最初はのぼせ話をオチに持って来たのですが、収拾付かなくなったので
蘭の一言でシメてもらいました。一応、住いは事務所に変わってからの設定。

初代話の毛利夫妻は意外とラブラブだったので、設定どうしようか
迷った結果、お決まりパターンと、初代パターンの間辺りに。

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